オリジナル手ぬぐい制作 神野織物「和」日記

神野織物代表 神野哲郎のオリジナル手ぬぐいについて綴るブログ

オリジナルのタオルや手ぬぐいって1枚から作れるの?・・・価格と数量の話


 

前回では、価格ではわからない品質の違いを説明しましたが もうひとつ大きな問題
何枚から作れるのか? ということです。

 

一般的にタオルの制作枚数は100枚が最低(これのことを最低ロットと言います)・・・
と言われることが多いです。

 

制作を依頼するあなたからすると、
「なんで作ってくれないんだろう?一枚からでも出来るだろうに・・・」
と不思議に感じることだと思います。
作成を依頼する立場から見るとそうですよね。

 

でも、逆にタオルを作る工場からすると
「そんな面倒なこと出来ね~よ」ということになります。
確かに 面倒かもしれませんが作れないってことはないでしょ!って思いますよね。

 

でも、実はそんなに甘くはないのです。

 

まずは、インクです。
タオルにプリントするときには、染料や顔料をある程度量を作ってプリントをします。
そうしないと色が安定しないです。

 

やろうと思えば1枚でもプリントすることも可能ですが、そうなればインクが
大量に残ってしまいます。
このインクの代金を1枚分に載せなければならず 言ってみればメッチャ高くなって
しまいます。
100枚で分ければ一枚数十円程度で出来るものが 一枚では数千円って事に
なるのです。

 

これでは無理、無理って事になりますね。

 

まだまだ これだけではありません・・・。

 

スクリーンプリントでは プリント台にスクリーンの版をセットしてプリントをします。
このスクリーンの版も結構大きくセットするの結構時間がかかります。
それに・・・一番の問題は、インクをセットするのに一枚分のインクを機械に乗せること
が出来ないことですね これは先ほどお伝えしましたが、仮にプリントを一枚したところ
で仕事を終わるとなると、この版を外して綺麗にプリントの版を洗わねばなりません。

 

これに時間がかかります。

 

それと、プリント台の洗浄です。
タオルをプリントする場合は、インクが裏まで通りませんので大丈夫ですが 手ぬぐいを
プリントしたあとでは インクがプリント台(ベルト)に付着することがあります。

 

これを洗わねばなりません。

 

いかがでしょう?
一枚を作るとなると、結構多くのインクを使用してその後プリントマシーンのべルト部分
を綺麗に清掃。そしてプリントの型を綺麗に洗浄・・・。これだけの作業を一枚分に工賃として
乗せる必要が出てきます。

 

ね、とっても高くなるのが解るでしょう。

 

で、お客さんに説明するときは、説明を端折って
「100枚が最低となります。」って話となってしまうのです。

 

ただ、プリントの仕方によってはインクジェットプリントという方法もあります。
この方法では、プリント台を使うことなく インクもマシーンに乗せることなく作成出来ますので
小ロットの制作には向いています。

 

一枚からでも作れるのです!

 

しかし・・・機械効率が悪く一枚では仕事にならないので 単価はとっても高くなります。
ここが弱点ですね。

 

このように 手ぬぐいにしてもタオルにしても小ロットで対応できる方法もありますので 解らないことがありましたら何なりとご相談下さいね。