オリジナル手ぬぐい制作 神野織物「和」日記

神野織物代表 神野哲郎のオリジナル手ぬぐいについて綴るブログ

本染め手ぬぐいの色の染まり具合の注意点と注染の型についての話


 

 

本染めで手ぬぐいを作る場合 プリントとの決定的な違いはデザインの出方が違います。

 

 

プリントの場合は生地にインクを付けてデザインを表現しますのである程度の細い線でも出すことは可能です。

本染めの場合はインクを注いで染めていきますので やはりムラになりやすいです。生地の性質も絡んでくるのでしょうが綺麗に染まっているところもありますがベタで染めた場合でも、ムラに染まるところも出てきます。

 

 

また、一番注意せねばならない点は、色が指定通りに出来上がってこない・・・点です。

 

 

お客様からは「DIC」や「PANTONE」でご指定を頂いたり、色生地のサンプルを頂いたりして その色に近づけよう染料を調合して作成に取り掛かりますが、全く同じ色に作成することは出来ません。全く違う色に出来上がることはありませんが全く同じ色に仕上がることはありません。

 

リピートの場合も同様で「前回と同じ色でお願いします!」と言われても、全く同じ色にもならないのです。

これは作るときの湿度や生地の具合など・・・いろいろな要素がからんでいるので一概にいえませんが間違いなく若干色が変わっています。例えば100枚でご注文いただいても一度に100枚を染めるのでは無く 30枚ごとを一度に染めますので それぞれ若干色が変わったりもするのです。

 

また、染まり具合によってカスレたり 刺さったり 滲んだりすることも多くあります。これは極端な例ですがこんな感じのものもできてきたりします。

 

 

 

 

悪いことばかりお伝えしていますが、本染め・注染の良さとして許せる範囲内と思います。

この辺り手作りの温かみということでご理解ください。

 

 

あと本染めを作るときの注意点ですが、型の問題があります。型は、約2ミリ角の網戸みたいな紗のシートを カットして柄を出すようにします。この型を作るのも手作業となりますので細かいデザインや 細い線は難しく 価格も非常に高くなります。

2ミリの網戸みたいな紗の上にシートを貼り付けて型としますので 2ミリ以下の線幅やデザインのものは表現できないのです。この辺りを注意いただきデザインを作って欲しいのです。

 

 

最後に取り扱いについての注意点です。

 

 

最近の洗剤は漂白剤入りの洗剤が多くなっています。これが問題で、明るい色の染料はやはり落ちやすくなっています。また、色落ちが心配なため ドライクリーニングや乾燥機の使用はやめて欲しいのです。濡れたまま放っておくのも厳禁です。

と・・・色々と 面倒なことをお伝えしていますが・・・ 実は私 10っヶ月同じ手ぬぐいを何の気にもせず普通の洗濯石鹸をつかって乾燥機も通して使っています。いかがでしょう?染める色にもよりますが結構色落ちせず使えるものですね♪