オリジナル手ぬぐい制作 神野織物「和」日記

神野織物代表 神野哲郎のオリジナル手ぬぐいについて綴るブログ

タオルの表面をよく見ていると・・・


神野哲郎
オリジナルタオル オリジナル手ぬぐいの神野織物CEO

from 神野哲郎

 

 

普段顔を洗ったりするいわゆるフェイスタオルやお風呂上がりに使うバスタオルなどの表面をじっくりと見たことってあります?
もし今お近くにタオルがあれば、ちょっと持ってきて見てみてください。

 

 

なんか糸が小さな輪のようになっていませんか?

 

 

もともとタオルは一本の糸を生地に織り上げるのですが、その工程で糸が輪になるようになっています。
なのでこれがタオルの基本形。
これを「パイル生地」と呼びます。
※手ぬぐいは、このパイルが無い織り方をしますので平織りとも言いますが凸凹がなくペタッとしています。

 

 

「あれ?うちのタオルはそうはなってないよ」
という方、そのタオル糸が一本一本まるで芝生のようになっていませんか?
これはパイルの輪の先端を切り取ることで、まるで一本ずつ糸が生えているようになっている生地ですが、この生地を「シャーリング生地」と呼びます。

 

 

パイル生地は輪っかがある分、そこにも水分がたまりますので、シャーリング生地に比べて吸水性が高いという利点があります。
更にシャーリングのように切ってそろえるという工程がないため、コストも下げられます。

 

 

欠点としては輪っかの部分が爪とかに引っかかってほつれてしまうこと。これは経験された方も多いと思います。
特にお店の粗品でもらういわゆる「名入れタオル」はパイルがほとんどなので、糸がほつれるということが多々ありますよね。
つまりその分、耐久性は弱いともいえるわけです。

 

 

一方シャーリングは、パイルに比べて工程が多いのでコストが上がります。吸水性も少しだけ劣ります。
じゃあ、シャーリングの利点ってなんだろう?ってことですが、見た目の美しさと肌触りです。

 

 

表面のパイル部分をカットしてそろえていますから、長さが一定です。
それが美しさにつながり、肌触りにつながります。
なので、ライブ会場で販売されるタオル、ほとんどこのシャーリング生地で作られています。

 

 

シャーリング生地は別目プリント生地とも言われています。

 

 
シャーリングのタオルが出来た意味ですが、初めタオルにプリントをした時にどうしてもインクがパイル部分に溜まって固くなったのをどうしたら溜まらなくなるだろうと試行錯誤をしてこうなったのだと思います。

 

 

シャーリング生地のおかげで、タオルの生地も表面が均一で でこぼこにはなっていないので、綺麗にプリントが出来ます。

 

 

そのため、神野織物ではオリジナルプリントタオルのご注文をいただくときは、シャーリングタオルをおすすめしています。

 

 

初めにお伝えしたように、シャーリングをするという行程を省いている分 パイル生地の方が安く仕上げることが出来ます。←ここが重要です!
でも、パイル生地を使ってプリントするとこのパイル部分にインクが溜まって触った感じが硬くなります。
また、洗濯をするとパイルが起きてきて柄が判別出来なくなるという弱点もあります。

 

 

だから価格だけでは判別出来ないのです。
もしオリジナルでタオルを作ろうと思った場合は このようなことを注意して欲しいのです。

 

 

「生地の違いとプリント方法の違い」このあたりをしっかりと業者さんに質問して納得のいくオリジナルタオルを作ってください。

 

 

パイルとシャーリング、それぞれ良いところ、悪いところがありますが、
「なんでお店でもらったタオルはすぐに糸がほつれるんだろう?」とか、
「ライブ会場で購入したタオルってなんか感じが違うよな?」
という理由はこんなところです。

 

 

PS プリント方法の違いでも吸水性や手触りが変わってきます。
全国にあるプリント工場のほとんどで行われる顔料プリントは、タオルにプリントをすると吸水性も悪く硬くなる場合もあります。

 
染料プリントをできる工場は限られています。
全国でも数件しかないのです。

 
ライブ会場やコンサートの会場で販売されるようなタオルはほとんどが染料プリントを使用します。やわらかい手触りや吸水性をお求めの場合は、染料プリントをご指定ください。